歴史、音楽、サッカーをテーマに、ヨーロッパ各国とアメリカ各州を歩いた旅の記録です。アジアも少し歩き始めました。

ヨーロッパの旅は、バルセロナやドルトムントなど有力サッカーチームの試合観戦と古代ローマなど西洋史の舞台や遺跡を巡ります。

アメリカ各州の旅は、ポピュラー音楽を楽しみつつ、その歩みや歌詞を手掛かりに、各地の文化、歴史と触れ合います。移民大国、人種のサラダボウルと呼ばれる国、アメリカ。生み出される音楽も実に多種多様です。以下はこの旅で出会った音楽です。

country music (カントリー)、western swing (ウェスタンスウィング)、roots rock (ルーツロック)、southern rock (サザンロック)、pops (ポップス)、bluegrass music (ブルーグラス)、folk music (フォーク)、mountain music (アパラチア山脈の伝統音楽)、blues (ブルーズ)、R&B、soul music (ソウル)、Dixieland jazz (ディキシーランドジャズ)、cajun music (ケイジャン)、zydeco (ザディコ)、minstrelsy (ミンストレルシ)                      (タイトル写真) Pensacola Beach,Florida,USA
     

5/13/2012

4.トリーア(Trier)

 - 平成24年5月4日金曜日 15:31
トリーア(Trier)中央駅に到着

 トリーア(Trier)は、ルクセンブルグとの国境に近いドイツ最古の町。
  後に古代ローマ皇帝となるコンスタンチヌスの居住地だった。この辺境から、彼の快進撃は始まる。4世紀初頭の話。

トリーア中央駅に到着



- 平成24年5月4日金曜日 15:45
駅前通りからトリーア中央駅方向









   当時、ローマ帝国の領土は、地中海沿岸部はもとより、北欧を除くヨーロッパ 全域に及んでいた。しかし一人の皇帝では支配出来なくなり、AD4世紀初頭、コンスタンチヌスを含む4人の皇帝が分割統治していた。いわゆる四頭政治やね。
   

 コンスタンチヌスは、遂に兵を挙げ、トリーアから遥か南方のローマへ進軍し、皇帝同士の闘いに勝利する。激しい戦いにローマのテベレ川は血に染まったという。
   

 その後も戦に連勝し、4皇帝のトーナメント戦を勝ち抜き、古代ローマを再度統一した。
   更に、都をローマから現在のトルコに移し、コンスタンチノープル(現在のトルコの大都市 イスタンブール)と名付けた。後の東ローマ帝国である。


 現在のイタリアが中心の西ローマ帝国は、ゲルマン民族らの侵入で5世紀には滅亡するが、東ローマ帝国はビザンチン文化が花開き、オスマントルコに制圧されるまで、約千年も続く。
 
 以前BSTBSの特集番組「東ローマ帝国」でこの壮大なドラマを知ってから、コンスタンチヌスの原点であるトリーアはいつか訪れてみたい街だった。


   ちなみに、ローマの古代闘技場コロッセオへ行くと、道路を隔てた隣りに凱旋門が有るが、確かこれが、コンスタンチヌスがローマで勝利した記念の凱旋門だ。



- 平成24年5月4日金曜日 15:50




世界遺産  ボルタニグラ
ポルタは門、ニグラは黒
城壁都市トリーアの黒い門を意味する。確かに異様なほど黒い。
ポルタニグラ


ドイツ最古の街トリーア。コンスタンチヌスの時代より前、紀元2世紀にはこの門ができたといわれている。


入場料を払って、螺旋階段をあがる。
最上階からはトリーアの街並みが見渡せる。








- 平成24年5月4日金曜日 16:35
ポルタニグラ

城門内側から撮影

















日本では無名 欧米では有名  


 トリーアは日本では殆ど知られていない。当然、日本人のツアーにも組み入れられていない。平日だし静かだろうなと思っていたけど・・・。来てビックリ。写真のとおり、欧米からの観光客で大にぎわい。中国人も見かけたが、日本人は皆無。インフォメーションを覗いても、中国語の解説はあるのに、日本語版はない。この差はなんやねん。
 
 日本の旅行会社は、ドイツといえばロマンチック街道やラインの古城などの景観中心のツアーで、その歴史、文化、宗教改革に興味をもたせる努力が乏しいように思う。
 
 勿論、ロマンチック街道沿いの街並や南ドイツの城は素晴しい。ただ、それだけでなく、ルターに始まる宗教改革の歴史も街道の随所で味わえると思う。カトリックからプロテスタントへと教会がどのように変化したかとかね。カトリック教会に多いマリア様の立体像がそのまま残ってたりする。イタリアやフランスでは体験できないテーマだと思う。
 
 また、トリーアもそうだが、ライン川やマイン川周辺は古代ローマの国境線であり、ローマ遺跡が多いから、観光ポイントにすると面白い。ライン流域のケルンには古代ローマの博物館があるし、フランクフルトの郊外には外敵からの侵入を防ぐ長城跡が残っている。英国のハドリアヌスの長城ほど有名ではないけど。時間があれば行ってみたいね。
 
- 平成24年5月4日金曜日 17:13




トリーアのカイザーテルメン
古代ローマの浴場 




カイザーテルメン



 トーリアには二つのローマ浴場が発掘されている。このカイザーテルメンは、文字どおり、四頭政治時代のローマ皇帝(カイザー)が使用した。




- 平成24年5月4日金曜日 17:15

トリーア
カイザーテルメンの再現図
広大な敷地で50ヘクタールあったらしい。










- 平成24年5月4日金曜日 17:16


カイザーテルメン










- 平成24年5月4日金曜日 17:25

カイザーテルメン内部

 浴場の内部は、まるで広い迷宮のよう。通路が張り巡らせてある。地図がないと戻ってこられないぐらい。










- 平成24年5月4日金曜日 17:43


コンスタンチヌス帝の名を冠した コンスタンチン通り。










- 平成24年5月4日金曜日 17:45



トリーア
コンスタンチヌスのバシリカ





 バシリカは礼拝堂のこと。
 外観は新しくみえるが、一部コンスタンチヌス時代の現存する部分を残して、建立されてるらしい。
   内部は、シンプル。正面にある十字架にもイエスの姿はない。一見してプロテスタントの礼拝堂とわかる。


0 件のコメント:

コメントを投稿